ザイルリードの強度について解説

「強さ」には理由があります。

「強くて、静かで、なめらか」がドッグ・ギアのドッグリードのコンセプトです。3つの要素のうち、大型犬を飼っている方が気になるのは「強くて、」の部分かと思います。

ザイルリードの強度について解説します。ザイルリードロープ径8mm以上の太いリードでは大型のレバースナップを使っています。メーカーの耐久試験の結果は耐荷重135kgです。メーカーが推奨する安全率は1/5です。ということは27kgまでのワンちゃんであれば破損の不安はほぼありません。また、ザイルリードではタイプWもタイプSもリード内に金属パーツが接触する部分がありません。金属パーツの接触はパーツの劣化を早めますが、それを設計上回避しています。

では、ロープとロープ縫製部分の強度はどうかというと、実は耐久試験では結果が得られていません。以前、初期のザイルリードの耐久試験を公的機関に依頼したのですが、必ず金属パーツが先に破損してしまうため、ロープ・ロープ縫製部分の強度は不明なのです。ただ、ロープ製造元の衝撃荷重データではシングルロープが8.3kN、ダブルロープが5.5kNとなっています。1kN=102kgfですから、シングルロープは846kg、ダブルロープは561kgが耐荷重になります。こちらも安全率を考慮すると シングルロープは169kg、ダブルロープは112kgとなります。耐久試験で金属パーツが先に破損するのはこういう訳です。登山家やレスキューの方の命を守るためのロープですから、 これは必要な強度といえます。

ダイニーマスリングの強度を維持する閂(かんぬき)縫製

ロープ縫製部分については、この画像で説明します。これはダイニーマスリング(ダイニーマスリングは円環状で使用されます)の縫製部分です。ダイニーマスリングは22kNというザイルロープをはるかに上回る強度を持っていますが、その強度は画像にある縫製部分を含めてのデータです。ダイニーマ自体の強度が高くても、縫製部分が弱ければそこから切れてしまいます。そして、その縫製方法はザイルリード、スリングリードと同じ閂(かんぬき)縫製なのです。つまり、閂(かんぬき)縫製はダイニーマの強度と同等ということです。22kNというのは2.2tに耐えるということですから、安全率1/5としても448kgです。40kgの大型犬を10頭つないでも破損しないということです。

ロープのカラーバリエーションのためにロープの強度は一定ではなく、上記のシングルロープ、ダブルロープよりも強度が低いものもあります。ただ、過去ザイルリードではロープの破損は一度も発生しておりません。

結論としては、レバースナップの強度を考えると、体重30kg以上の大型犬ではレバースナップ1個のタイプSには不安があります。できれば、タイプWを使用してください。体重が2個のレバースナップに分散され、54kgの体重まで大丈夫になります。タイプWではリード全体の重さが負担になるというのであれば、ロープ径8mmでもロープ、ロープ縫製部分の強度には問題ありません。ロープ径8mmをお選びください。

この半年間、あえて強度のことは説明してきませんでした。使っていただけば感じていただけると思っていました。ドッグ・ギアのドッグリードは他社のリードを参考にしていませんし、真似もしません。強度ばかりを強調して他社を刺激するつもりもありませんので。

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