ブログに連載しているDogs in the movies 映画の中の犬の番外編。今月公開されるEp.9でついに完結するStar Warsについての思い出です。
スター・ウォーズ (1977年・アメリカ) R2-D2
また、犬じゃな~い!と怒られそうですが、Star Wars SAGAの中で最も犬的な存在はR2-D2です。(というか、Star Warsの中に登場する動物として犬に近いのはサンド・ピープルの村で飼われていた動物ですが、母を失って理性を失ったアナキンに全ての村人と一緒に殺されています。アナキンの闇落ちの予兆としては納得のいく行動ですね)
R2-D2の頑固さは日本犬に近いですね。ご主人の命令には忠実でC-3POの助言なんて全く聞きません。とにかく一生懸命にご主人の希望を実現しようとします。その性格がなければ、ルークがタトゥイーンに隠遁していたオビワンに出会うことはなかったのですから、R2-D2がStar Warsという物語をスタートさせたといっても過言ではないのです。
それと、守秘義務を守っているところも犬的。スターウォーズ全作品に登場するのはR2-D2とC-3POだけですが、実はアナキン少年はEp.1直前に組み立てたC-3POよりもR2-D2の方が長生きしているのです。C-3POがまだ外装もつけられていない頃、R2-D2はナブー王室のドロイドとしてすでに活躍していました。言語を使わないところも犬的。ご主人様は何度も変わっていますが、前のご主人様のことは決して口にしません。おしゃべりなC-3POは、Ep.3のラストでメモリーを消去されます。メモリーが残っていたら、新たなる希望以降のストーリーが成立しませんから当然ですね。
そんな忠犬R2-D2が感情を表すのは、Ep.8でルークと再会したとき、足をバタバタさせて喜んでいる様子は犬そのものでした。
レイアがR2-D2にオビワンにデススターの設計図を渡すよう命令するところから物語は始まります。実は誰も指摘しないところですが、ストーリー上不自然なところがあります。R2-D2はデススターの設計図を持ったまま、ミレニアム・ファルコンに乗ったままルーク、オビワン、ハンソロとデススターに捕らえられ、そのデススターの一室でデススター内部のデータをスキャンするのです。この流れの不自然さに気づいたのは「ローグ・ワン」を観た後。ローグワンチームが命をかけて盗み出した設計図をお腹に差し込んだまま、R2-D2はデススターの内部をスキャンしているのです。託されたデータがデススターの設計図と知らなかったのでしょうから、仕方のないことなのですが。今観ると若干緊迫感のないレイア救出劇の最中なので余計にすっとぼけ感があります。まぁ、デススターを見てR2-D2が「俺、これの設計図持ってるし、すげーレーザー砲があるから逃げよう!」なんて喋ってたら、レイアを救出する流れにはならなかったのですから、犬的なR2-D2というのは必然なんでしょうね。