野犬にかこまれる体験(再)

以前、ブログに一度だけ書き込んだ記事ですが、閲覧数が多いので、再度書き込みします。10年近く前の経験ですが、あれを超える恐怖感はいまだ味わってません。

1度だけですが、野犬数十頭にかこまれる経験をしました。ひとりである山の頂上まで自転車でのヒルクライミングをしていた時のことです。有名な山で観光地ですから、名前は書きません。その日はすでに11月で観光用の道は閉鎖されていて、その柵をくぐってのサイクリングでしたから、特殊な状況だったのかもしれません。

山登りですので、当然ながら登り路。ギアを軽くしてゆっくり登っていました。歩いた方が早いくらいのスピードです。前方に廃屋が見えてそこで道が左にカーブしていました。そのカーブを抜けようとした時に、周りに犬がいることに気づきました。あれ、ワンちゃんいるね、と思ってゆっくり登っていくうちに犬の頭数は瞬く間に増え、数十頭になりました。

あわわ、これはまずい。引き返して逃げるか?このまま突っ切るか?

犬は全く声を発しませんでした。ただ、私を歓迎する雰囲気は全くありません。何か人に対する恨みみたいな感情が強烈に感じられます。

引き返せば、下りなので逃げられるかも知れない。しかし、犬は逃げるものを追う習性がある。逃げ切れなかったらどうなるかわからない。

そこで、私は犬に気づかないふりをして、犬の群れを突っ切ることにしました。チャリチャリチャリチャリ、ほんの数分間、数十メートルでしたが、あんなに時間が長かったことはありません。

ボスからの指令がなかったためか、犬は終始無言のまま。私は、野犬の視線を感じながら、通り過ぎることができました。

そのころ、家にはくろまるがいました。あの野犬もくろまるのように飼われていて捨てられたのかも知れないな、くろまるの中にもあの野犬と同じオオカミから受け継がれる野生の本能が間違いなくあるんだな、ということを痛感した出来事でした。

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