ザイルリードは愛犬くろまるを迷子犬にしないために自作した1本のドッグリードからスタートしました。しつけに失敗し、小さな頃から遊んでいた2匹のメスの柴犬としか遊べず、花火・雷で半狂乱になり、家族全員がいない隙に私の布団にオシッコをしてしまうくろまるでした。毎朝・毎夕・毎夜、1日3回散歩に行きました。時々、かわいい表情をするのですが、途方に暮れることもよくありました。
でも、手放そうと思ったことは一度もありませんし、ザイルリードを使い始めてからは一度も手元から離れたことはありません。それは飼い始めた時に決めていたから。くろまるの一生が幸せなものだったのか、今となっては尋ねることもできませんし、当然ながらくろまるは喋ってくれません。でも、生まれて3か月目に我が家にやってきて亡くなる瞬間までお腹を撫でてあげたので、恨んではいないでしょう。
ペットを引き取る施設に持ち込まれる犬で最も多いのは迷子犬か放棄された成犬というデータがあります。70%以上だそうです。次に多いのがペットショップから持ち込まれる子犬。これはつらいです。つらいですが、自分でできる最大のことはそのうちの一匹を引き取ることだけ。次に多いのが、飼い主に事情があって泣く泣く施設に持ち込まれる成犬。これは仕方ありません。自分にできる最大のことはそのうちの一匹を引き取ることだけです。
70%のうち、何%か迷子犬で何%が放棄された犬なのかは難しいところです。多分、犬では判断できません。飼い主が探しているかどうかが区別のポイントでしょう。そして、施設での保管期間は一週間。保護ボランティアの方に引き取られなければ、そこで処分されてしまいます。なので、保護ボランティアの皆さんには敬意を持っています。
そこで、一番犬のためになる自分にできる ことは、迷子にならないドッグリードを作ること。施設に引き取られる迷子犬をなくせるドッグリードを作ることです。迷子という現象そのものを発生させないということです。
幸いくろまるというパートナーはしつけの行き届いたワンちゃんの対極の存在でしたので、色々な試作品を試し、現在の形状になっています。これからもお客様からのご意見があれば、日々進化させていきます。そのために資材在庫はあっても完成品在庫のないオーダーメイド方式なのです。