犬を主人公にした「泣かせる」映画は除外して紹介していますが、だんだん苦しくなってきました。思い出してから、Wikipediaで確認してます。
わが家の犬は世界一(2002年・中国) カーラ
チャン・イーモウ監督作「活きる」で、カンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞した中国を代表する国民的トップスター、グォ・ヨウの主演作。監督は中国第六世代を代表する俊英ルー・シュエチャン。 飼い犬の規制が厳しい北京のペット事情を背景に、中国の庶民の生活ぶりと家族の絆を描いたヒューマン・コメディ?です。
「中国で犬を飼うとはどういうことか?」をテーマにした映画です。なので、飼い主と愛犬のコミュニケーションなどはあまり描かれません。北京に暮らす中年の労働者ラオが登録していない愛犬を公安に取り上げられ、処分される翌日の午後4時まで家族や知り合いとともに奮闘するという物語です。
ペットの登録料が5,000元というのが辛いですね。現在の為替レートでは77,000円ですが、当時の感覚でいうと、500,000円くらいのはずです。多分、ラオにとっては給料数か月分。でも、ラオにできることはその登録料を支払うか、知り合いが飼っているよく似た愛犬の登録証で公安をだますかしか選択肢はありません。映画の中では、ラオがどうしてそこまで愛犬に執着するのかははっきり描かれません。変なおじさんであり、変なお父さんとして描かれます。DVDで鑑賞したのですが、ラストがどうなるのか憶えていません。ネットの紹介ブログでは「ちょっと残念な結末」と書いてあるので、ハッピーエンドではなかったかと思います。(なので、再度観る気持ちにはなれませんでした)
この映画が公開される少し前に1年間中国青島に赴任していたことがありましたが、確かに一般の人が住むエリアでは全く犬を見かけませんでした。海沿いの高級住宅地のそばの公園で小さな愛犬を散歩させている人しかいませんでした。多分、屋外をウロウロしている犬がいれば食べられてしまうか、盗まれて売り飛ばされてしまうのでしょう。
中国と比べたら日本のペットは幸せですね、なんてのんびりした気持ちになれる映画ではありません。ちょっと落ち込む映画です。(この映画よりも同じグォ・ヨウ主演・チャン・イーモウ監督の「活きる」の方がはるかにおすすめ。しみじみとした素晴らしい映画です)