洋画・邦画を問わず、映画の中に最も多く登場する動物は犬であることは間違いないでしょう。映画に登場する犬を観て、犬を飼いたくなった経験を持つ人も多いことでしょう。犬が登場する映画とその犬についてご紹介していきます。
ダンス・ウィズ・ウルブス(1990年・アメリカ) トゥー・ソックス

監督・主演・製作はケビン・コスナー。第63回アカデミー賞作品賞ならびに第48回ゴールデングローブ賞 作品賞受賞作品。トゥーソックスは実は犬ではなく野生のオオカミです。南北戦争の激戦時に最前線の砦での駐屯を希望した北軍中尉ダンバーは先住民のインディアン・スー族と接触してゆく、というお話。
大量の武器を運び込んだものの、最前線の砦には兵士はおらず、ひとり自給自足をして援軍を待つダンバーの仲間は愛馬のシスコとときおり現れる野生のオオカミ。オオカミの前足は先端が白く、ダンバーは「トゥー ・ソックス(ふたつの靴下)」となづける。
愛馬のシスコは何度インディアンに連れていかれても、その度にしっかりとダンバーの元に帰ってくるまさに相棒。それに比べると野生のオオカミであるトゥー・ソックスは砦から見える丘の上に現れ、少しづつダンバーに近づいてくる。
徐々に警戒を解いたトゥー・ソックスはスー族に招待されたダンバーとシスコを追うほどになる。追い払おうとするダンバーにじゃれつくトゥー・ソックスの様子を見た迎えのインディアンたちはダンバーに「ダンス・ウィズ・ウルブス(オオカミと踊る男)」という名前をつける。
スー族に交じってバッファローを狩ったダンバーが持ち帰った干し肉を差し出されたトゥー・ソックスは初めてダンバーの手から食物を受け取る。このシーンはオオカミがイヌに変化した太古の瞬間を想起させるとても感動的なシーンになっています。
映画はアメリカの先住民であるインディアンの気高さを描き、彼らを滅ぼしたヨーロッパからの移民(現在のアメリカ人)を告発する内容です。さすがに 移民たちが インディアンを殺害するシーンはありませんが、トゥー・ソックスはインディアンたちの運命を代弁するような存在として描かれます。