野生の犬ディンゴについて想うこと

NHKBSのワイルドライフという番組でオーストラリアのフレーザー島にいる野生の犬「ディンゴ」についてのドキュメンタリーが放送されました。何度目かの再放送です。観たいと思いながら見逃してきたのですが、やっと観ることができました。

イヌとオオカミは同じ祖先から枝分かれした種です。(オオカミがイヌに進化したのではないというのが定説)ディンゴは野生のイヌですが、オオカミではありません。目が違います。オオカミの目はヒトのように瞳孔が小さく白目と黒目に分かれていますが、ディンゴの眼はペット化されたイヌのように目のほとんどが黒目です。(オオカミがペット化する過程でヒトに恐怖感を与えないように黒目がちに変化していったという説もありますが、そうではないということですね)

ドキュメンタリーは砂の島フレーザー島に住むディンゴの一家を丁寧に取材したものですが、父犬と母犬の子育てを助ける年上のメス「レイラ」が亡くなり、オスのお兄ちゃん「ジョシュア」が8匹の弟妹の面倒をみる様子(兄の犬がヘルパーを務めるというのは非常に稀だそうです)や、弟妹へ与えるエサを求めて別の群れの縄張りに入り、眉間に大きなケガを負うシーンがありました。(画像の右から2匹目がジョシュア。眉間のキズも残っています)

終盤で父犬と母犬はジョシュアを群れから追い出します。子犬たちが成長し、ジョシュアを独立させなければならないのです。そして、ジョシュアはかつて戦ったことのある群れのメスをパートナーとして、家族を作り始める。

番組では触れられていませんが、ディンゴは家畜を襲う害獣とされることも多く、ヒトを襲うこともある獰猛な動物です。(害獣かどうかはヒト視点の判断で、ディンゴには悪意は全くないはずです)

番組を観て想うのは、ヒトが全く介入しなくてもイヌは家族のために自らを犠牲にすることのできる動物だということ。私たちはイヌの飼い主としてディンゴの家族と同等以上の存在になるべきと感じました。

About the author: t_sekiguchi

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