犬が登場する映画を思い出してみて、かなり多いことに気づきました。洋画の方が多いですね。ただし、犬が主役の映画や、観客を喜ばすために犬を登場させている映画(どうも邦画はその傾向が強い)はあまり紹介する気持ちになれません。主役を引き立てることに徹しているワンちゃんはとても愛しいですね。
メリーに首ったけ(1999年・アメリカ) パフィ

1998年制作のファレリー兄弟監督のコメディ映画。 主演はキャメロン・ディアスとベン・ステイラー。この映画を観たことのある愛犬家には、「動物虐待映画」と断定されても仕方のない内容ではあります。しかし、メリーの同居人マグダ夫人の愛犬パフィ(犬種はケアーン・テリア)が虐待されるシーンは明らかにスタントドッグ(というかぬいぐるみ)が代役です。
パフィは 映画の中でドラッグを飲まされ、電気ショックで火だるまになり、全身ギブスの状態で乗用車の屋根に放置されるという散々な目にあいます。メリーを追いかけまわす男たちのめちゃくちゃな行動に振り回された結果です。
どんな目にあってもマグダ夫人とメリーへの信頼を失わないパフィ。ラストシーンではちゃんと元気な姿で登場します。ある意味、映画に登場するイヌの中でも最強のワンちゃんです。
映画ではパフィが虐待されるだけではなく、障害者や少数民族も登場しますが、誰もが「かわいそうな人」ではなく「個性をもった一人の人間」として描かれます。パフィも「かわいそうな犬」とみるべきではなく、「飼い主に忠誠を尽くす従順で勇敢な犬」としてみるべきなのです。