接合部分の革新とハーフチョーク首輪

奥が従来の縫製・接合部分、手前が現在の縫製・接合部分です。違いが判りますでしょうか?閂ミシンでの縫製部分は同じですが、その右の末端処理が異なります。一見、奥の方がきれいに処理され、手前は処理されていないように見えます。実は、縫製する段階では、手前のリードも同じように末端処理をした上で作業をしています。(そうしないとどんどんロープがほつれてしまうため)縫製が終わった段階で、末端処理した部分を切り落としているのです。

切り落とすことを前提に前加工しますので、奥よりもロープを若干長く使っています。ロスは多くなるのですが、この処理方法に辿り着くのは大変でした。従来の処理方法は見た目はきれいに処理されているのですが、末端をホットカッターで切り落とし、その繊維の溶けた部分を残しているため、末端部分が硬くなっているのです。ザイルロープはポリアミドという化学繊維ですから、末端が硬くなるのは強度を維持するために仕方のないことと思い込んでいたので、末端を切り落とすという発想に辿り着くのは大変でした。

従来の方法で常に悩まされたのは首輪が作れないことです。一般的な首輪をザイルロープで作成することは最初からあきらめていましたが、ハーフチョーク首輪ならできるのではと考えていました。しかし、末端の硬い部分をそのままにしているとそこで金属パーツの輪(マルカンやDカンなど)に引っかかってしまうのです。末端の硬い部分がワンちゃんの地肌の方に回ってしまうと首に不快感があったり、最悪な場合首の皮膚を傷つけるのではという懸念がありました。

新しい接合方法での末端部分は繊維の柔らかさをそのまま残しているので、繊維がフワフワしています。そのため、金属パーツが引っかかることもワンちゃんの首に嫌な感触を残すことはありません。

新たに発売した「ザイルハーフチョーク首輪」は以前からお客様から要望いただきついに開発できた「リードとお揃いになる首輪」ですが、接合方法の革新がなければ実現できませんでした。ワンちゃんの頭周り・首周りをお聞きしてからの製造なので、お届けまでお時間をいただきますが、愛犬にジャストフィットする首輪になります。是非、ザイルリードとお揃いにしてお使いください。

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