迷子犬・保護犬・渡譲犬・生体販売のこと

迷子犬、保護犬、渡譲犬、生体販売については問題が複雑にからんでいて、解決することは非常に難しいと思っています。ペットの生体販売が元凶と考える方も多いのですが、環境の悪い状態での販売には問題があるとしても、きれいな状態で飼育は簡単ではないというアドバイスをしっかりするのであれば、悪いとはいいきれないと思います。さらに、現在のペットショップで生体販売がなくなれば、日本での犬の飼育頭数は激減し、ペットフードを始め、あらゆるグッズはなくなるか非常に高い価格になってしまうでしょう。

保護犬というのは、殺処分される犬を激減させている最も大きな要因であり非常に尊い行為であると思います。保護犬を受け入れる家族が多いというのも素晴らしいことです。しかしながら、再びその犬が捨てられたりすることがないように渡譲を受けたいという方に過剰な条件を強いるのは、逆にペットショップでの販売を推奨するようなことにもなりかねません。

問題は複雑ですが、この問題が人の気持ちを掻き立ててしまうのは、次の2点ではないでしょうか?

  • 犬を遺棄する人がいること
  • ペットショップで売れ残り、処分されたり繁殖のためにだけ生きる犬が存在すること

犬を遺棄する人は間違いなく存在します。かわいい子犬を飼ったのに大きくなって世話が大変なことに気づき、遺棄してしまう人。引っ越し先で犬が飼えなく、引き取り手を見つけられない人。いうことをきかないので飼うことに嫌気がさした人。ただ、遺棄する人にも罪悪感はありますので、公衆の面前で遺棄する人はいません。人の見ていないところに遺棄します。ですから、それをパトロールして注意するということは不可能ですし、返された犬が幸せかどうかは疑問です。テレビでは処分の問題をニュースにする一方で、かわいい犬の動画を流しその大変さは伝えません。10年以上に渡って命を守り続けることの負の部分もしっかりと伝えてほしいと思います。

ペットショップで売れ残った犬については、施設に持ち込むことはできませんので、こっそりと処分されているはずです。貴重な犬種であれば、繁殖のためだけに生かされることになります。ただし、健康的な一生とはいえないではないでしょう。

経済的に考えれば、スーパーに買い物に行ってほとんど欲しいものが買えるのは将来廃棄される可能性のある「在庫」が必ずあるからなので、廃棄の可能性を減らすためには、在庫を減らし、販売された分を補充するという方法がありますが、動物である犬を1頭売れたら1頭生ませるというようなコントロールは不可能なのです。

ブログやツイッターで、私はこの問題に触れないようにしてきました。解決策も持たず、自分で保護犬を引き取る余裕もないからです。できないことには口は出さないというスタンスです。

なので、常に「私は自分の愛犬くろまるを絶対迷子にしない」ということと「施設に引き取られる迷子犬を減らすためのドッグリードとしてドッグ・ギア ザイルリードを使ってみてほしい」ということだけを訴えてきました。迷子犬には、不注意で迷子になってしまった犬と、実際は遺棄されてしまった犬が混在するであろうことも認識しています。私が使っていただきたいのは、使っているドッグリードが原因で迷子にしてしまう「不安」を持った飼い主です。大切にされながら、何かのトラブルで迷子になってしまい、飼い主に再会することができずに処分されてしまう愛犬とその飼い主です。処分されずに渡譲される犬もいるかもしれませんが、飼い主にとっては、かけがえのない愛犬は失ったままです。

日本国内には約1000万頭の犬が飼われています。迷子になるリスクは全ての愛犬にあります。くろまるを絶対に迷子にしないために製作したザイルリードでそのリスクと不安を減らすことに貢献したいと思っています。

About the author: t_sekiguchi

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