ドッグリードの安全性能を考える

最近の乗用車にはセンサーによる自動ブレーキという安全機能があります。マイカーはちょっと古いので付いていません。今まで交通事故を起こしたことはありませんが、魅力的に感じます。「安心感」が違うように感じます。(といって、油断して横見して走っていいとは思いませんが)

ドッグリードの安全性能はどうでしょうか?犬を飼うことに免許は要りません。基本的には役所への届けと定期的な予防注射だけが義務です。ペットショップに行けば、代わりはいつでも購入できるし~。というわけにはいかないのです。

愛犬は家に来た瞬間から家族になります。毎日餌をあげて、遊び、散歩に行き、たわいもないことを話しかける、うんち・オシッコをさせる、毎日の積み重ねでかけがえのないパートナーになっていきます。ただ、残念なことに犬に人とはどんな生物なのかを教育してくれる公的機関はありません。人は犬について学ぶことはできますが、それは犬一般についてであって、あなたの犬、私の犬が今何を考えているのかは推察するしかありません。

ヒトと犬は動物として違う種ですから、完全に理解しあえないんですよね。そのもどかしさも含めて人と犬はお互いを必要としていきます。でも、家族以外の人(特に犬が苦手な人)も尊重しなければなりません。「そばに寄らないで」と思っている人に愛犬を近づけてはいけないのです。どんなに自分にとって可愛い愛犬でも、それはあなただけの愛犬なのですから。

また、犬は交通ルールをわかっていないと思います。(少なくともくろまるはわかっていません)

リードが離れてしまった瞬間に犬が何を思っているのか、人には理解できないのです。あれれ、どこでも自由にいけるぞ、どうしよう?ととまどう犬がいるかも知れませんし、やったー!今日は自由に遊んでいいんだー!と突然の自由をご馳走のように感じる犬がいるかも知れません。なかなか遭わせてもらえない〇〇ちゃんに会いに行こう!と考える犬もいるでしょう。飼い主の拘束から解放されたので飼い主を困らせてやれー!という我が家のくろまるのような犬もいるかも知れません。

そろそろまとめに入ります。結局、人と犬が完全に理解できなくて、犬が飼い主を離れて生きていけないということが最も重要です。あなたが犬を何十キロも追いかけられる体力や、犬を瞬時につかまえられる瞬発力の持ち主なら問題はないのですが、結局は丈夫なドッグリードが必要になるのです。丈夫で犬を繋げればいいというのであれば、鉄の棒の先を首輪につけるのはどうでしょうか。丈夫ですし、愛犬も自由には動けません。でも、犬には苦痛しかないでしょう。犬が苦痛に感じる散歩を飼い主が楽しめるはずもありません。

ドッグリードは下記の4つの機能を満たすべきと思います。

●首輪・ハーネスとのアタッチメントがはずれないこと

●ロープが切れないこと

●愛犬と飼い主が意思を伝えあえること

●愛犬にも飼い主にも肉体的・精神的な不快感を与えないこと

全ての機能をバランスよく備えたドッグリードが安全性能の高いドッグリードといえるのではないでしょうか?特に重要なのは上の2つ。なぜかというと、愛犬の命にかかわる機能だから。リードが外れたり、切れたりして愛犬が交通事故に遭ってしまったら、愛犬のスペアはないのです。次はそんなことを起こさないように気をつけようと誓っても愛犬のスペアはないのです。死んだ愛犬の遺伝子から同じ遺伝子を持つクローンを作り出すことを事業にしようとしている会社があるようです。でも、同じ遺伝子を持ち、同じ容姿を持つ犬がいても、それはあなたの愛犬ではないのです。愛犬というのは、完全に理解しあえないもどかしさを互いに感じながら、人と犬が一緒にいる時間を積み重ねることによってしか生まれてこないからです。

乗用車の自動ブレーキが気まぐれだったらどう思いますか?ある時は正確に作動し、ある時は全く作動せずに電柱に激突する、そんな仕様ならない方がよいのです。期待しない分、ない方が安全です。

以上の説明はドッグ・ギア ザイルリードの製造・販売を休止した理由であり、再開を決意した理由でもあります。明日、新ザイルリードについて発表させていただきます。多分、しばらくは忙しくて長い文章も書けませんので、ちょっと力のこもった決意表明をさせていただきました。

About the author: t_sekiguchi

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